特別講演のご案内

テーマ:Memento Mori -死とささえ-

特別講演では、長野県松本市神宮寺の住職さんでもある高橋先生に講演をお願いしました。先生は、東京大学大学院で学生に生命倫理を教えたり、龍谷大学大学院でも教鞭をとられるなど教育にもたずさわっておりますが、NHKなどで紹介された松本市の浅間温泉街で廃業した温泉旅館を高齢者宅老所、ヘルパー派遣事業所として再生させるNPO法人「ケアタウン浅間温泉」の活動で先生をご存知の方も多いと思います(こちらのほうが有名かも?)。
高橋先生は、「がんばらない」などの著書でよく知られる鎌田先生といっしょに、ターミナルケアの現場に数多く足を運んで、お坊さんとして、また現代の寺の機能や役割について、試行錯誤しながら、地域で多くの活動を展開され、最新のご本「寺よ、かわれ」を執筆されております。
また、イギリスの在宅ホスピスケアの担い手であるマクミラン・ナースを日本に紹介した方でもあります。日本の在宅ケア、地域ケアのために、寺の住職の枠をはるかに超えて、医療そして看護に重要な示唆をなげかけている方です。
今回の特別講演では、ぜひ在宅ケア、ターミナルケア、がん看護、地域で支える生老病死について、ぜひ先生の話をお聞かせいただきたいと、松本の神宮寺に日参してお願いしました。病院や在宅で死と向き合う(生と向き合う)ときに、きっと皆様の心をささえるなにかが届くと思います。

<高橋先生からのメッセージ>

キーワードは?
 Where Do We Come From? What Are We? Where Are We Going?
①われわれはどんな時代を生きているのか
②死の実相……死とは何か
・死との対決の書『ボヘミアの農夫』から学ぶ「死」
③死から生を視る旅
・死と生が切り結ぶ現場
・AKIHIKO(岡村昭彦)を知っていますか?
④死の現場は究極の生の現場だ。ここにあらわれる「苦」の緩和に何が必要か?
・ささえの本性とは何か?
・寄り添いとささえの現場
・コミュニティケアとパーソン・センタード・ケア
・「Not Doing But Being」
・Grief Careの方向性
⑤再び死から生を視る
・近未来、この国に訪れる「メメント・モリ」
・「千の風」は何を伝えたか?
・ アニミズムの可能性